サン・テミリオンの格付けでトップに君臨する、第一特別級AとB。
第一特別級Aはシュヴァル・ブランとオーゾンヌの二つのシャトーだけしか存在しません。
それに続く形で13のシャトーが第一特別級Bとして名を連ねます。
なぜ第一特別級がAとBに分かれているのか。 それはシュヴァル・ブランとオーゾンヌが抜きんでて素晴らしいからです。シュヴァル・ブランとオーゾンヌはサン・テミリオンの二翼として君臨していますが、 両者の性格は明らかに異なります。
そもそもサン・テミリオンの地域は土壌の異なる二つの地域で大きく二つに分類されます。
一つはグラーヴ(砂利の意)地域と呼ばれ、砂利質のためカベルネがよく栽培されています。
シュヴァル・ブランはこちらに属します。
もう一つはコート(台地の意)地域と呼ばれ、粘土石灰質の土壌でメルロの栽培に適しており、
シャトー・オーゾンヌを含む第一特別級のほとんどのシャトーがこちらに属します。
そのため、シュヴァル・ブランはサン・テミリオンという地域にありながら、 カベルネ・フランが多くブレンドされています。カベルネ・フランを多く使用したことによって現れる、コクと力強い味わいがこのシャトーの真骨頂。さらにポムロルのレヴァンジルやコセイヤントと溝一つの距離のため、 ポムロルに近い、リッチでねっとりとした酒質。こうした個性がシュヴァル・ブランにしか出せない独特な味わいを生み出します。
多くのワイン愛好家がシュヴァル・ブランをNO.1に選ぶのもこの辺りが関係しているのかもしれません。