シャトー・レオヴィル・ラス・カーズはサン・ジュリアン村に位置する3つの「レオヴィル」の一つ。ラス・カーズ、バルトン、ポワフェレの兄弟は、元々1つのシャトーだったものが、 分割され、別々のオーナーの元で歴史を刻んできました。
シャトー・レオヴィル・ラス・カーズは「サン・ジュリアンの王」と言われ、その質の高さと、安定した造りで、一級シャトーにも引けを取らない スーパーセカンドの筆頭です。
その理由は 構造、豊かさ、奥深さ、フィネスが、これほどまでに 完璧に近い形でつりあっている銘柄は稀有だからでしょう。
複雑で優美なサン・ジュリアン的スタイルというよりは、 むしろ隣のポイヤックのような厚みと逞しさを備えています。
2009年にロバート・パーカー氏が、「ショッキングなほど若い」と語っているように、
数年経った現在でも、中心は深みのある紫がかったルビー色を呈し、若々しい印象があります。
しかし、エッジはオレンジがかったガーネット色をしており、熟成を感じ取ることもできます。
粘性はやや豊かです。
凝縮感のある黒系果実、熟したプルーンやカシス、ブラックベリー、たばこの葉、腐葉土、 僅かに木樽やなめし皮、ショコラ、乾燥させたミントなどの複雑かつ多彩な顔を見せてくれます。
タンニンは溶け込んでおり、黒系果実の凝縮感の中でバランスが完璧にとれており、 サン・ジュリアンらしい気品が漂います。