アベラワー(ABERLOUR)蒸留所は、スペイ川沿いのアベラワーの村で、1826年に創業しました。アベラワーとはゲール語で“せせらぐ小川の 川口”の意味です。蒸留所は、スペイ川とラワー川の合流点から300ヤードの所にあり、スペイサイドのほぼ中心に位置しています。ベンリネス山から引いて いる仕込み水はピート層と花崗岩を通った軟水を使用しています。ペルノー・リカール社が所有していることもあり、フランスで人気No.1のシングルモルト です。
ジェームズ・ゴードンとピーター・ウェアの2人によって蒸溜所が建てられたのは1826年ですが、それ以前からこの地で密造酒が作られていました。 密造者たちが利用したのは聖ダンスタンの井戸水で、この水は聖ダンスタンがハイランドの氏族達を洗礼する際に使用したものです。蒸溜所の現在の建物は、 1879年の火災後に建てられた物でヴィクトリア朝の美しい建物です。その後、1945年に拡張されましたが、1974年にフランスのペルノー・リカール 社に買収され、その際近代的設備が付け加えられました。現在ペルノー・リカール社傘下のキャンベル・ディスティラリーズの子会社となっています。
発酵漕はステンレス製が6基。ポットスチルはストレートヘッド型で、初溜釜2基、再溜釜2基の合わせて4基。仕込み用水は、ベンリネス山 (840m)の麓にある泉から引いています。年間の生産量は250万リットルです。ベンリネスのにある高さ30フィートの滝、リン・オブ・ラスリーの下流 4分の1マイル程の所に蒸溜所はあり、滝の水は下の滝壷に落ちてラウアー川となっています。ベンリネスの頂上からは10州(北はケイスネス州から南はパー ス州まで)を見渡すことが出来ます。アベラワーの美しい村はその麓のラウアー川沿いにある。初期のキリスト教宣教師、聖ダンスタン(スコットランドでは聖 ドロスタンとして知られている)はラウアー川の水を洗礼に使っていました。